2023.03.15
キャニオンスパイス物語 第3部 (レトルト物語編)
今日のマサランちゃんはちょっと忙しそう。
いろんなレトルトカレーの中からいくつかを選んで、せっせと商品を紙袋に詰めている??どうやら新しい商品を作ろうとしているようです。
レトルト物語
キャニオンスパイスには、大きく分けて事業が2つあります。
一つは、「こどものためのシリーズ」をはじめとした、自社でブランドや商品を開発・育成し、販売する事業。
もう一つは、お客さんからの依頼で一緒に商品開発をして、そのコンシェルジュを司るO E M事業。
特に、業界では「カレーの駆け込み寺」と言われるほど、他社で開発に臨んだが発売に至らなかった方に多くご相談していただき、その想いを具現化してきた実績と自負があります。
いつしか、
「お客さんの夢を叶え、自分達の夢も叶える」
という経営理念にも聞こえそうな想いが自然と自分達の中に芽生えるようになりました。
物語第1部で書きましたが、この事業もそもそもの始まりは、街のお肉屋さんに自慢のお肉を使ってレトルトカレーを作ることを提案したことからスタートしています。
今では、日本全国各地の様々な業態のお客様からご相談をしていただけるようになりました。
積み重なったその数は今や1000種類以上。これだけカレーを開発していたら、その一つ一つの味やまつわるストーリーを忘れてしまいそうなものですが、それぞれの商品にそれぞれのお客さんの想いが込められているので、私たちもその全てを覚えているのです。
※このような想いが詰まった商品を、新しいお客さんに手みやげにして持っていくと、大変喜ばれるのです。この喜びを多く分かち合いたいと思い「カレーの手みやげ」というシリーズを発売することになりました。
OEM事業最大の事件!?
そして、このO E M事業のことをお伝えするのに、書かずにはいられない一つの大きな案件がありました。それは今から14年ほど前、ちょうどマサランちゃんが一人歩きし始める少し前のことだったそうな。
「おはようパーソナリティー道上洋三です」※通称「おはパソ」
というA B Cラジオ番組とのタイアップ企画でした。
当時、番組の中でM Cの道上洋三さんとアシスタントの秋吉英美さんがカレーの話で盛り上がり、年に2回行われるリスナーとの触れ合いでもある「ラジオ祭り」なるもので、それぞれがカレーを考案してカレー対決を行ったのです。
想像以上の反響で、用意した1000人前は一瞬で完売。一見大成功に思えるのですが、その反面多くのファンの方が、それを食せなかったという事実が残りました。
そこで、どこかの誰かが「これをレトルトカレーにして販売しよう」と言い出し、キャニオンスパイスにその話を持ってきたのです。
そのどこかの誰かと一緒にA B Cラジオに向かい、3社での話し合いを経て、商品名は「おはパソカレー」、近畿2府4県のセブンイレブンでの限定発売、数量は10万食、発売時期は2月×日、とても具体的に決まったのですが、この時実は年の瀬の12月半ば、発売まで2ヶ月という無茶苦茶なスケジュール。
当然、「それは無茶だ」と申し出はしたのですが、「リスナーの熱が冷めない内に実現しないと意味がない」というリスナーを想う熱い気持ちを伝えられ、それに応えるべくキャニオンスパイスとして精一杯のことをしようと腹を括ったのでした。
それから、道上洋三さんと秋吉英美さんのそれぞれのカレーのレトルトとしての再現、パッケージの打ち合わせ、急遽キャンペーンハガキを同封する、など毎日が天変地異のような紆余曲折を経て、様々な方々にご協力や応援をしていただき、無事発売日前日にキャニオンスパイス社長も配送の車に荷物を積んで走ったり、この案件を持ってきたどこかの誰かもトラックでキャニオンスパイスに乗り込んで来て仕上がったカレーを積んで走って、ギリギリで全ての商品の納品を完了することが出来ました。
私たちも商品がお店に並んでいるところを見たいので、発売の2月×日の朝、近くのセブンイレブンを訪れましたが、商品が並んでいないのです。「まだ配送センターから納品されていないのかな?」そう思い、数軒お店をまわったのですが、やはりお店に商品はありません。心配になってお店の人に「おはパソカレーという商品はありませんか?」と聞いたところ、返ってきた答えは「深夜の午前0時にお客さんが大挙して訪れ、全て買っていきました」という事でした。
そして、伝説へ
まさかの即売り切れ。嬉しい反面、結果多くのリスナーがまたしてもカレーを食べられない事態が発生してしまい、すぐに追加で20万食を製造することが決まったのです。
そして、後日追加発売された20万食も今度は多くの方に行きわたり、さらに最終的には見事完売。その短期間でのとんでもないレトルトカレーの売れ行きは、セブンイレブンの中で「関西のレトルトカレーの売上でシステムエラーが起こっている」と勘違いされ、今でも伝説になっているとのことです。無事、この大型特急案件を終えたキャニオンスパイス、この時に助けてもらった方々とは、今もずっと良いお付き合いをさせていただいております。
(この案件を持ってきたどこかの誰かは、めぐり巡って現在キャニオンスパイスに所属しており、地元泉南ではカレー男と呼ばれ、キャニオンスパイスのイベント記録や地域情報を自身のインスタグラムで配信しています)
そして、自分達にとってこの大型特急案件の成功が大きな自信と実績になり、「よりお客さんの想いに応えられるように」と、事業に励んでいくことになるのです。カレーを通じてみんなが幸せな気持ちになれるように。